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大使のスピーチとインタビュー
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Address by Hon’ble Ambassador H.E. Mr. Sujan R. Chinoy, at Forum Centre, Tokamachi

関口芳史(せきぐち・よしふみ)十日町市市長閣下、
新潟県十日町地域振興局局長、新潟県知事代理の庭野芳樹(にわの・よしき)様、南魚沼市副市長 岡村聡(おかむら・さとし)様
佐渡市副市長 金子優(かねこ・まさる)様、
長谷川時夫さん、友人の皆さん

十日町雪まつりに御招待下さった長谷川時夫さんに心から御礼申し上げます。私は昨年12月に来日しましたが、長谷川さんは私が着任してすぐに大使館へ会いに来て下さった日本の友人の一人でした。長谷川さんが印日文化関係の推進のため、たゆまぬ努力を続けていらっしゃることはよくお聞きしていましたが、実際にお会いして、インドの伝統的な歌を見事に歌われるほどインド文化に精通していらっしゃることを始めて知りました。

皆様もご存知のように、長谷川さんは34年前にミティラー美術館を設立されました。ミティラー美術館には、インドの絵画やテラコッタ像等からなる見事なコレクションが常設展示されています。テラコッタ・コレクションの中心になっているのは、1989年にインド政府から寄贈された109点の作品群です。ミティラー美術館のアートコレクションはインド独自の芸術を推進する目的で収集されたものですが、インド政府はその幅広さと質の高さを高く評価しています。

長谷川さんの素晴らしいお仕事については、いくら言葉を尽くしても語りきれません。長谷川さんはもう20年間もインドの踊り、音楽、食物、観光、手工芸品など紹介するフェスティバルであるナマステ・インディアを毎年東京で主催なさっています。2015年に開催されたイベントでは、インド文関係評議会(ICCR)から派遣されたナトラジ・カラ・マンディール舞踊団が公演を行い、2日間で20万人もの人々がフェスティバルにやって来ました。長谷川さんはまた、2015年8月にインド大使館がアート・アット・テランガナ・トラスト(Art@Telangana Trust)と共催した「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムと2015年3-5月に東京国立博物館にて開催された特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」の実現のためにも御尽力くださいました。今年は、この十日町雪まつりと東京、沖縄で公演をするマニプリ舞踊団のツアーを率いて下さっています。また最近インドで行われた手工芸品フェスティバル「スラークンド・メラ」に日本のアーティスト33人が参加するための手配をして下さいました。ここであらためて、印日間の文化交流を推進するための長谷川さんの御尽力に御礼申し上げます。

私は1月8日、新潟県主催の新年会で泉田裕彦知事閣下にお目にかかりました。泉田知事のお話を聞いて、新潟県を出来るだけ早く訪問したいと思いました。そして今、私はこの美しい新潟県で、地元の文化、経済、料理、伝統と有名な十日町雪まつりの素晴らしさを経験することを楽しみにしております。

印日関係について短いプレゼンテーションをするようご要請を受けました。まず我が国インドの概要について手短に御紹介したいと思います。

皆様もご存知のように、インドは世界でも最も古い文明の発祥地で、古代よりヒンズー教、ジャイナ教、仏教などの宗教が興った国です。またインドには、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、シーク教なども存在しています。仏教はインドから東アジアに直接、また中国を経由して伝わりました。古代インド人は科学、天文学、医学、その他多くの分野に秀でていました。ゼロの概念や10新法も、インドの天才により編み出されました。インドは世界に平和、非暴力、共存等の価値観をもたらしました。過去1000年間、多くの征服者がインドの富を狙ってきましたが、彼らはインドの文化、伝統、思想を征服することはできませんでした。刀を振りかざしてやってきた者たちも、インドの複雑多様で包摂的な文化に同化されました。また歴史を振り返ると、インドが故郷を負われた避難民を受け入れてきた事例が多く見受けられます。

私たちはインドの特徴である「多様性の中の統一」に誇りを持っています。

インドは世界で7番目に大きな国です。12億人の人口のうち、6億人は25歳未満となっています。植民地支配と搾取によって弱体化される前の17世紀、インドは世界で最も裕福な国のひとつでした。1947年の独立以来、インドは原子力エネルギー、宇宙科学、農業、バイオテクノロジー、そして世界中でインド人の優秀さが認識されている情報技術等、様々な分野において顕著な功績を挙げてきました。

今日、インドは世界で最も急速に成長する経済国となりました。GDP成長率は7.5 パーセントであり、インド太平洋地域を含む世界諸国で従来型の成長エンジンが停滞している中、インドはこれからさらに高い成長率を実現しようとしています。インドのGDPは購買力平価(PPP)においては世界で第三位です。またインドは近い将来中国を抜いて、世界で最も人口の多い国となる見込みです。中国や他の国々が高齢化社会と労働力不足の問題に直面している中で、インドには豊富で若い人的資源があります。ゴールドマン・サックスは、インドはBRICS諸国の中で唯一、今世紀半ばまで5パーセント超の安定した成長率を維持し、名目値においても世界で第二位の経済国になると予測しています。

ナレンドラ・モディ首相のダイナミックなリーダーシップのもとで、インドの様々な産業は急速な進歩を遂げています。インドには、起業家と投資家を歓迎するオープンなビジネス環境があります。インド経済は巨大な国内市場、豊富な人的資源、低い賃金、民主主義、法の支配という他国にはない利点を提供しています。
こういった背景を踏まえて、印日二国間関係についてお話しします。インドは魅力的な海外投資先として台頭しており、世界的な製造・サービス拠点となっています。日本の会社にとっては、「メイク・イン・インディア」、「スマート・シティ」、「デジタル・インディア」や他のインド政府の計画に参加することで、世界的競争力と利益を増大させるための大きな余地があります。日本は既に貨物専用鉄道、デリー・ムンバイ産業大動脈、アーメダバードとチェンナイの地下鉄、12の産業タウンシップなどの大型プロジェクトに参画しています。

国際開発協力銀行(JBIC)の最新の中期的海外投資に関する調査において、インドは前回に続き、最も望ましい投資先となりました。インドにおける日本の投資は拡大傾向にあり、これからも成長が見込まれます。日本のテクノロジー、製造力、イノベーションと、インドの技能と豊かな人材資源を組み合わせたら、どれだけの相互的利益が生まれるか、ぜひ想像してみてください。

インドと日本の友情と、古代から続く深い文化の絆についてお話したいと思います。印日関係は、両国に存在する精神的親和性と共通の遺産である仏教に深く根ざしています。両国は地理的には遠く隔たりながらも、過去数世紀において多くの交流がありました。その中でも最も重要な出来事は、752年、奈良の東大寺で大仏開眼式を行った菩提僊那の来日です。中国で禅宗を開いた菩提達磨は、日本では達磨として知られているインド人仏僧です。私たちの文化的類似性は神道にも及びます。日本の七福神のうち3人はインドの神と共通しています。弁財天はサラスバティ、大黒天はシバ、毘沙門天はクベラです。他の神も、たとえばガネシュ(Ganesh)は聖天、ラクシュミ(Laxmi)は大弁功徳天(吉祥天)として日本に存在しています。空海(弘法大師)は唐の長安から法華経と、日本では「悉曇」と呼ばれるサンスクリット語の文字を日本に持ち帰りました。表音文字であるひらがなとカタカナは、サンスクリット語のアルファベットとよく似ています。日本語とサンスクリット語の文法構造にも類似性があります。また、日本の琵琶とインドのヴィーナという楽器、仏教の影響を受けた両国の彫刻にも類似性が見られます。
今日、両国は戦略的見解、経済の将来に関し、強力な収束性を共有しています。

2015年12月、安倍首相のインド訪問の際にモディ首相が述べたように、アジアとインド太平洋地域の未来の形成において、印日戦略的パートナーシップほど深い影響を及ぼす二国間関係は他にありません。インドの経済変革において日本ほど決定的な役割を果たしたパートナーは他にいません。また、インドが経済的な夢を実現するにあたって、日本ほど重要な役割を果たす友人は他にいないでしょう。インドでは、印日特別戦略的グローバルパートナーシップに対する圧倒的な国民の支持と政界でのコンセンサスが存在しています。両政府が署名した民生原子力協力に関する覚書は、平和で安全な世界を目指す両国が共有する、新たなレベルの相互信頼と戦略的パートナーシップの輝かしい象徴です。これと同様に、スピード、信頼性と安全性で知られる新幹線のムンバイ‐アーメダバード路線への導入をインド政府が決定したことは、歴史的な意義があります。

モディ印首相が発表した「到着時発行ビザ」(Visa on Arrival)スキームは、商用渡航者を含めるすべての日本人旅行者を対象としており、2016年3月1日より開始されます。このスキームはあらゆるレベルでの交流をさらに推進することでしょう。

2015年は、印日関係にとって大変活発で生産的な一年となりました。 鉄道、防衛、科学技術を含む様々な分野において二国間交流が急増しました。 京都府、富山県、兵庫県等の日本の都道府県とインドの州との間で発展しつつある協力関係は大変歓迎すべきものであり、相互に利益をもたらすでしょう。
2016 年もすでに良いスタートを切っています。インド政府の電気・石炭・新エネルギー・再生可能エネルギー大臣は第八回エネルギー対話のため、ハリヤナ州州首相はビジネスや投資の連携を追求するため、それぞれ来日しました。両国間の文化の絆も強力に維持されています。インドの内務大臣は、印日政府の共催により先月東京で開かれた、第二回SAMVAD会議「アジアの価値観と民主主義」に参加しました。今年も年末まで忙しい日々が続くでしょう。私たちの未来にとって幸先が良いことです。

安倍首相御自身がおっしゃったように、印日関係は、最も大きな可能性を持った二国間関係です。

私は日本の友好的な皆様とともに印日間の友好関係と協力を推進するため、力を合わせて進んでいくことを楽しみにしております。



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